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タイムレス・ライブラリー

ピーターラビットの
おはなし

The Tale of Peter Rabbit

原作:Beatrix Potter(1902年、パブリックドメイン)
日本語版:オリジナル脚色テキスト

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シラカバの木の根もとに住むウサギの一家

— 1 —

はじめに

フロプシー、モプシー、コットンテール、そしてピーターの四きょうだい

むかしむかし、大きなシラカバの木の根もとに、ウサギの一家が住んでいました。お母さんウサギと、四人の子どもたちです。

三人の女の子の名前は、フロプシー、モプシー、コットンテール。いたずら好きの男の子は、ピーターといいました。

ある朝、お母さんウサギは子どもたちを呼んで、こんこんと言い聞かせました。「さあ、お野原へ行ってきてもいいけれど、マクレガーさんの畑には絶対に入ってはいけませんよ。お父さんがあそこで大変な目にあったのですから、決して忘れないでね」

フロプシー、モプシー、コットンテールはお母さんの言いつけをきちんと守りました。三人はおとなしく小道を歩いて、野いちごを摘みながら、楽しいおやつの時間を過ごしました。

マクレガーさんの畑に忍び込むピーター

— 2 —

マクレガーさんの畑

おいしそうな野菜がぎっしり並ぶ、マクレガーさんの畑

ところがピーターは、まっすぐマクレガーさんの畑へと走っていきました。古い木の柵のすき間をするりとくぐり抜けると、そこには夢のような光景が広がっていました。

まるまるとしたキャベツ、みずみずしいレタス、さやえんどう、そして土の中からオレンジ色の頭をのぞかせているにんじん。ピーターの目はきらきらと輝きました。

「ちょっとだけなら、いいよね」

ピーターはそう心でつぶやき、まずにんじんを一本引き抜いてかじりつきました。甘くてシャキシャキで、こんなにおいしいものはありません。

食べすぎてじんじんするピーター。マクレガーさんに見つかる

— 3 —

たいへん、見つかった!

おいしいにんじんに夢中のピーター

ピーターはにんじんを食べ終えると、今度はさやえんどうを、それからレタスをと、次々においしいものをほおばりました。お腹がぱんぱんになってきた頃、ふと胃のあたりがじんじんしてきました。

「うう、食べすぎたかな」

そのとき——じょうろの音が聞こえました。ガラガラガラ。

マクレガーさんが畝の向こうから顔を出すと、ピーターの姿に気づいて、大声で叫びました。「こらっ! 泥棒ウサギめ!」

ピーターは脱兎のごとく駆け出しました。青いジャケットが柵の金網にひっかかり、ピーターはジャケットを脱ぎ捨てて一気に飛び出しました。

帰宅したピーターを抱きしめるお母さん。カモミールティー

— 4 —

ただいま、お母さん

お母さんがカモミールティーをいれてくれました

ピーターは物置小屋に身を隠し、やがて畑の外へ出て、一目散に家に向かって走りました。

「ただいま、お母さん……」

お母さんウサギは、ぼろぼろで泥だらけのピーターを見て、ため息をつきながら、でもやさしくぎゅっと抱きしめてくれました。

「熱があるみたいね。今夜はカモミールティーを飲んで早く寝なさい」

フロプシー、モプシー、コットンテールは野いちごのタルトを食べながら楽しい夕ごはんを過ごしました。ピーターは毛布の中でカモミールティーをすすりながら、今日のことをぼんやりと思い出しました。

(おしまい)