第一話
おなかがすいたプー
百エーカーの森の、ちょうどいい場所に、プーの家がありました。
玄関の上には「プーさんのいえ」と書いた木の板が掛かっていて、ドアはいつも少しだけ開いていました。
その朝、プーはベッドの中で目を覚ますと、おなかの中から小さな声が聞こえた気がしました。
「ぐ〜〜〜」
「ああ」とプーは言いました。「おなかがすいているんだね。それはたいへんだ」
プーはのそのそとベッドから起き上がり、食器棚の前に立って、ひとつひとつ棚を開けてみました。一段目——空っぽ。二段目——空っぽ。三段目には木の葉っぱが一枚だけ。
「はちみつが、ない」
プーはとても深刻な顔でそう言うと、椅子に座って少し考えました。プーはあまり長く考えるのは得意ではありませんでしたが、はちみつのこととなると話は別です。一所懸命に考えると、頭の中でぶんぶんという音がして、いい考えが浮かんできました。
「そうだ。どこかにはちみつがあるはずだ。なぜかって? ミツバチがいるからだよ。そしてミツバチがいるということは——はちみつがあるということだ!」
プーは満足そうにうなずいて、外に出かけることにしました。