八国山だより DIGITAL MAGAZINE P.6-7

アースダイバー的問題設定

2026年6月9日 · 創刊特別号

【アースダイバー的思考とは何か】 建築家・鬼才・大野伸仁(おおの・のぶひと)が 提唱した「アースダイバー」という概念がある。 それは、建造物や都市を水上にそびえる船とみなし、 その下に沈む「地層」「過去」「縄文」を、 スキューバダイビングするかのごとく探索する思考法である。 都市とは、決して新しいものではない。 それは、常に「過去の上に現在を積み重ねた構造物」である。 東京という都市は、 いかにして「縄文を埋め尽くし」、 いかにして「縄文以前の自然を支配下に置き」、 そしていかにして「その過去の痕跡を消そうとしてきた」か。 八国山は、その消却の試みが「失敗」した場所である。 かつて、黒沢映画の撮影地だったこの雑木林は、 いまなお縄文の湿地を蔵し、 いまなお中世の合戦跡を秘し、 いまなお昭和のサナトリウムの廃墟を隠している。 デジタル技術によって、 われわれは初めて、 この「上書きされた過去」を、 透視する能力を手に入れた。 GPS、GIS、データベース、Web APIは、 単なるテクノロジーではない。 それは、太古の沈黙を掘り起こすための、 最新鋭の鍬なのである。
    Marginal
  • アースダイバー理論:大野伸仁『アースダイバー』(2005)
  • 東京のアースダイバースポット
— P.6-7 · 和紙地 · 2 段組 —