作品の魅力を伝えるには、大きく美しい画像が欠かせません。一方で、「大きな画像を載せると、無断で使われてしまうのではないか」という心配もあります。
この記事では、作家のホームページで作品画像をどう扱えばよいのか、できることと、その限界を正直にお伝えします。
まず知っておきたいこと
最初にお伝えしておきたいのは、インターネットに公開した画像を、完全に守る方法はないということです。画面に表示できるものは、保存することも、画面ごと撮影することもできてしまいます。
ですから、目指すのは「絶対に守る」ことではありません。「作品の魅力をきちんと伝えること」と「無断で使われにくくすること」の、ちょうどよいバランスを見つけることです。
きれいに見せるために
色を正しく撮る
作品画像の質は、撮影でほぼ決まります。作品の色や質感が正しく再現された写真を用意することが、何よりも大切です。照明の当て方や、カメラの色の設定で、作品の印象は大きく変わります。可能であれば、作品撮影に慣れた人に依頼することをおすすめします。
十分な大きさで載せる
小さすぎる画像では、作品の質感や細部が伝わりません。画面いっぱいに表示しても粗く見えない大きさを用意します。目安としては、長い辺が2000ピクセル前後あれば、多くの画面で十分にきれいに見えます。
作品を引き立てる余白と背景
作品の周りの余白や背景の色で、見え方は大きく変わります。ホームページ全体のデザインは、作品より目立たない、控えめなものにします。
一覧と詳しい表示を分ける
作品の一覧では小さな画像を並べ、選ばれた作品だけを大きく表示するようにすると、表示が速くなり、見る人も疲れません。
動きで引き立てる
作品がゆっくり現れる、細部を拡大して見られる、といった控えめな動きを加えると、作品はさらに際立ちます。動きの使い方については、別の記事で詳しく取り上げています。動きで作品を際立たせる
無断転載されにくくするために
公開する大きさを決めておく
印刷に使えるほどの大きさの元データは公開せず、画面で鑑賞するのに十分な大きさにとどめます。きれいに見えて、しかも印刷物には使いにくい大きさにしておくことが、もっとも効果のある対策です。
作品情報と著作権の表記を添える
画像のそばに、作品名、作家名、著作権の表記(例:© 作家名)を書いておきます。転載された場合にも、どこから来た画像なのかが分かりやすくなります。
画像そのものに作家の情報を記録する
画像のデータには、作家名や著作権の情報を書き込んでおく仕組みがあります。Googleの画像検索では、この情報が読み取られ、作家名や著作権の表記が表示されることがあります。
透かし(ウォーターマーク)は控えめに
作品の上に大きく文字を重ねると、転載は減るかもしれませんが、作品の魅力も損なわれてしまいます。入れる場合は、作品の隅に小さく入れる程度にとどめることをおすすめします。
あまり効果がない方法
よく使われている方法に、「画像の上で右クリックできないようにする」仕組みがあります。しかしこの方法は、画面の撮影などで簡単に回避できてしまいます。一方で、見る人にとっては使いにくいホームページになってしまうことも多いため、当方ではおすすめしていません。
無断転載を見つけたら
自分の作品が無断で使われているのを見つけたら、まずは掲載している相手に、作品名と自分のホームページの該当ページを示して、削除や出典の表記をお願いします。SNSや大きなサイトには、著作権の侵害を報告する窓口が用意されています。対応してもらえない場合や、被害が大きい場合は、専門家への相談も考えてください。
大切なのは、作品の「本家」であること
作家本人のホームページに、もっとも美しい画像と、もっとも正確な作品情報がある。そのことが知られていれば、作品を探す人は、自然と本人のホームページにたどり着きます。
画像を守ることと同じくらい、正しい情報を、本人のホームページから発信し続けることが大切です。
このサイトのアートアーカイブでも、作品を大きく、正確な作品情報とともに見せる工夫をしています。実際に触って試せる見本もご覧ください。作品を引き立てる、動きの見本