作家のホームページを、次の世代へ残すために

こんな方に 作家ご本人、ご家族、作家の記録を預かる方

作家のホームページには、作品の画像、展覧会の記録、作家自身の言葉が、長い年月をかけて積み重なっています。それは、作品集や図録と同じように、作家の仕事を後の世代に伝える大切な記録です。

この記事では、作家ご本人、ご家族、そして作家の記録を預かる方に向けて、ホームページを残していくために知っておきたいことをまとめます。

ホームページは、何もしなければ消えてしまう

紙の作品集は、本棚に置いておけば残ります。ところがホームページは、何もしなければ消えてしまいます。

ホームページを公開し続けるには、ドメイン(ホームページの住所)と、サーバー(データを置いておく場所)の契約を、毎年続ける必要があります。この契約が切れると、ある日突然、すべての内容が見られなくなります。さらに、手放したドメインを、まったく関係のない人が取得して、別の目的で使ってしまうこともあります。

今のうちに確かめておきたいこと

ドメインの名義と更新日
ホームページの住所(例:○○.com)を、誰の名義で、どの会社と契約していて、いつ更新が必要か。

サーバーの契約
ホームページのデータを置いている場所の契約者と、支払いの方法。クレジットカードの期限切れで支払いが止まり、契約が切れてしまうこともあります。

ログイン情報の保管場所
契約している会社の管理画面に入るための情報が、どこに、どのように保管されているか。

制作者・管理者の連絡先
ホームページを作った人、管理している人が誰か。

これらが作家本人しか知らない状態だと、何かあったときに、ご家族も周囲の人も、手の出しようがありません。一覧にして、信頼できる人と共有しておくことをおすすめします。ログイン情報そのものは、紙に書いて大切に保管するなど、人目に触れない方法で残しておきましょう。

記録として残す方法

契約を続ける
もっとも確実なのは、ドメインとサーバーの契約を続け、ホームページをそのまま公開し続けることです。

手のかからない形に作り替える
これ以上更新しないのであれば、裏でプログラムが動かない「静的なホームページ」に作り替えておく方法があります。改ざんの心配が減り、維持の手間と費用も抑えられます。古い仕組みのまま放置するより、ずっと安心して残すことができます。古いホームページが改ざんされる理由と、静的サイトという選択

データを手元に保管する
ホームページの文章と画像を、まとめて保存しておきます。たとえ公開をやめることになっても、記録そのものは残ります。作品画像は、ホームページに載せている画像だけでなく、元の高画質のデータも合わせて保管しておくと安心です。

公的な保存の仕組みを知っておく
国立国会図書館のインターネット資料収集保存事業(WARP)など、Webサイトを記録として保存する公的な取り組みもあります。対象や条件は、各機関の案内をご確認ください。

ご家族が引き継ぐときに

作家が亡くなった後、ホームページをどうするかは、ご家族にとって判断の難しいことの一つです。すぐに決める必要はありません。まずは契約を切らさないようにしておき、落ち着いてから、残し方を考えれば十分です。

その際、ホームページの最初の画面に、作家の生没年と、ホームページを誰が管理しているのかを一言添えておくと、訪れた人にも事情が伝わります。

作品の記録をつなぐ

当方は、古い写真や浮世絵などの文化資料をデジタルで残し、公開するアーカイブも運営しています。作家のホームページを、作品と活動の記録として、次の世代へつないでいくお手伝いも承ります。


ご相談について

今のサイトを残すべきか、作り直すべきか。何から手をつければよいか分からない段階でも構いません。 状況をお聞きしたうえで、無理のない進め方をご提案します。